宇部・西岐波を拠点にする介護タクシー「介護タクシー 夢」（宇部市西岐波、TEL 0836-39-3690）が9月15日、営業を始めた。運営は西村ケアサービス（同）。

　介護タクシーは一般乗用旅客自動車運送事業（福祉輸送事業限定）許可を持つ事業者で、車いすやストレッチャーを運ぶことができるタクシー。健常者だけを乗車することや、一般のタクシーの様に「空車」のプレートを掲げて走り利用者を獲得する「流し」をすることができないなどの制約がある。

　ハンドルを握るのは同社代表で自身もタクシー乗務員を務める西村孝司さん。開業にあたり昨年、ホームヘルパー2級の資格を取得。約2年の準備期間を経て開業にこぎ着けた。「私の母も足が悪く、乗り降りの際に支援のない一般のタクシーで病院に向かうのは辛いものがある。介護タクシーがもっと身近にあるべきだという必要性を常に感じていた」と話す。

　同サービスを利用できるのは、要介護認定を受けている人、身体障害者手帳を持つ人、一人で公共交通機関を利用することが困難な人とその付添人。定員は、車いすの利用者1人と付添人2人で、自宅から病院などの施設内まで送り届ける。

　西村さんは「全てが始まったばかり。まずは宇部市東部を中心に通院や買い物などはもちろん、日帰り旅行やドライブにも利用していただき、外に出る楽しみや『夢』を提供したい」と意気込む。「ゆくゆくは市内のデイサービスなどの施設との連携や、同業者と提携をしてお客さまを待たせることがないように顧客をシェアする仕組みができれば」とも。

　営業時間は8時～18時。料金は、時間距離併用制運賃＝初乗り（1.5キロまで）590円、時間制運賃＝30分2,410円。前日までの予約が必要（空きがあれば当日でも利用可能）。