「小林秀雄と中原中也」-2人の関係をテーマに初の企画展

特別企画展「小林秀雄と中原中也」の展示は2人の略歴から始まる

特別企画展「小林秀雄と中原中也」の展示は2人の略歴から始まる

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 詩人・中原中也と、中也の友人でもある評論家・小林秀雄について紹介する特別企画展「小林秀雄と中原中也」が7月25日、中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430)で始まった。

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 同展は、中原中也生誕百年を記念して開催されるもの。中也と小林秀雄が交流を持つきっかけとなった直筆の手紙5通をはじめとした書簡、原稿、出版物など貴重な資料100点近くが展示され、2人の交流をさまざまな角度から紹介する。2人の関係を展示主題として扱うのは初めて。「中也と小林秀雄といえば、長谷川泰子との三角関係に目が行きがちだが、中也が亡くなってからの小林秀雄にこそ文学的交流があったのではないか」(同館)ということから、中也没後の小林秀雄にも注目した展示構成がされている。

 同展では、ディスプレーやチラシに「海棠の花」がモチーフに使用されている。昭和12年に鎌倉・妙本寺にある海棠を中也と小林秀雄が2人で見物したことが、小林秀雄の著作「中原中也の思ひ出」に思いのこもった追悼文として書かれており、単なる思い出の木ではないことを伝えていることから、同展のイメージとして採用された。

 中原豊副館長は「戦後の小林秀雄の仕事の中にも、中也の影を見出すことができ、中也没後にも小林秀雄の精神の中では中也が生き続いていたことが分かる。これが本当の文学的交流ではないかと思う。2人の筆の跡をじっくりと見てもらいたい」と話している。

 関連イベントとして、8月9日に公開講演「中原中也と小林秀雄-その<宗教性>のゆくえをめぐって」、8月18日に学芸担当職員が展示室を歩きながら解説する「プロムナード・トーク」、9月1日に1つのテーマを掘り下げる「ミニセミナー」、8月5日・11日に上映会「学問と情熱 小林秀雄 批評への道」を予定している。

 入場料は、一般=310円、大学生=210円、小・中・高校生=150円。開館時間は9時~18時。休館日は月曜(祝日の場合はその翌日)と毎月最終火曜。9月24日まで。

中原中也記念館(©マルニ)

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