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山口大学で日中韓の学生による「デザインコンテスト」 社会問題テーマに

競技会には、中国や韓国の大学の学長も訪れた

競技会には、中国や韓国の大学の学長も訪れた

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 日本・中国・韓国の学生によるクリエーティブ工学デザインコンテスト「第7回 CEDC(Creative Engineering Design Competition)」が12月14日~17日、山口大学・常盤キャンパス(宇部市常盤台2)で開催された。

太陽光パネルとプロペラのついた橋の模型

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 日本からは山口大学や九州工業大学(北九州市戸畑区)、韓国からソウル大学、中国は大連理工大学など14校50チーム約200人の学生が参加。「スマートシティ」や「高齢化社会」といったさまざまな社会問題をテーマに行った研究の結果やデザインなどの発表・展示を行い、ものづくりを通じた国際交流を行った。

 コンテストの期間中、体育館ではデザインを説明したパネルや模型を展示。太陽光と風力の発電が可能な橋の模型や、コンピューターを搭載した将棋盤、盗難防止機能付きの傘などの試作品がチームごとのブースに展示された。

 教室では、考案したデザインの社会的背景や目的、活用できる場面などを踏まえながら英語でのプレゼンテーションが行われた。各大学の教員らによる審査を経て、グランドデザイン賞を受賞したのは、スマートフォンを介して室内の空気環境を確認できる空気清浄機「インテル・エア・マックス」を考案した中国・江蘇大学のチームだった。

 山口大学修士課程1年の吉松琢弥さんは、ランニングのルートを設定すると高低差や歩幅などから消費カロリーを算出するアプリ「カロルート」を考案し金賞を受賞。「英語力はもちろん、普段の研究ではあまり求められないプランニング力が鍛えられていい経験になった」と充実した表情を見せる。

 同コンテストは、同大・機械工学科の江鐘偉教授が発起人となり、2011年度から始まった。江教授は「専門分野だけでなく、総合的なものづくりを経験してもらい、国境を越えたつながりを持つことで視野を広げるきっかけになれば。教育活動の成果を地元に還元することを目指している」と意義を語る。

 今回のコンテストを振り返り、「学生の発想は面白く興味深い。地元企業や行政の取り組みに学生たちの視点をプラスするなど、互いに手を取り合ってよりよい地域社会を作っていければ」と力を込める。

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