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宇部にコミュニティーカフェ「和 咲良」 今春「放課後寺子屋」開設へ

中谷咲良さん(左)と、長女・淑乃さん

中谷咲良さん(左)と、長女・淑乃さん

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 宇部・東須恵に1月11日、コミュニティーカフェ「和 咲良(さくら)」(宇部市東須恵、TEL 0836-39-5439)がオープンした。

同店が提供する「鶏のからあげ定食」

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 同店は、子育て支援や児童の健全育成などの地域課題解決を目的とする「食事もできる放課後寺子屋」。昼は食堂やカフェ、夜は居酒屋の営業をしながら財源を確保して運営する。今春からの寺子屋開始に先駆けて、同日からランチ・カフェメニューの提供を始めた。

 店主は、3人の子どもを育て、現在6人の孫を持つ中谷咲良さん。これまでの子育て経験から、放課後の児童が集まって過ごせる「寺子屋」のような場所の必要性を感じ、宇部商工会議所による創業支援塾(起業塾)や女性創業セミナー「WITTY」などで学び、県内の子育てサロンや子ども食堂などの情報も得ながら準備を進めてきた。

 中谷さんは「家庭の事情で宿題を見てもらえない子どもたち、孤食の子どもたちを支援したかった。当初はビジネスにするつもりはなかったが、多くのセミナーに足を運び『事業として成立しなければ継続できない』とアドバイスをもらった」と振り返り、ソーシャルビジネスとしての成立を目指し、昨夏には「山口県ぶちええソーシャルビジネスプランコンテスト」に事業計画を応募。準グランプリを受賞した。

 店舗は、中谷さん家族の自宅を兼ねて新築した。店舗面積は、約20坪。カウンター席7席、テーブル席10席、小上がりの座敷席16席を設け、カラオケ機器や音響機器を完備。店舗を貸し切ってイベント会場などとしても利用できる。

 現在はランチタイムに「鶏のからあげ定食」と「週替わり定食」(以上700円)を提供するほか、手作りのシフォンケーキにアイスクリームやドリンクが付く「シフォンケーキセット」(700円~)、コーヒー(400円)、ジュース(300円)、ハーブティー(500円)などを用意。メニューは随時拡充していく。

 寺子屋は、4月から運営を開始する。子どもたちは18時ごろまで店内で宿題をしたり、備え付けのおもちゃで遊んだりして過ごせるほか、手作りの夕食を食べることもできる。金銭を持たずに来店できるよう、料金は全て事前支払いのチケット制。小学生を1日20人まで受け入れる。利用料金は1回500円(夕食代は含まない)。

 寺子屋のスタッフは、高齢者の生きがい創出や地域コミュニティーを強化するために地域住民によるボランティアでまかなう。事前登録が必要で、居住地域や年齢は問わない。中谷さんは「大人が見守る中でルールを守って過ごし、コミュニケーション能力や社会性を身につけてほしい」と期待する。

 「さまざまな利用シーンが想定できるので、私の中で構想が膨らんでいる。地域で生活する3世代の居場所となれるよう、和やかに営業していきたい。世代を超えた交流や支援など、さまざまな輪が広がっていけば」とも。

 営業時間は10時~16時(ランチタイムは11時30分~14時)。月曜、日曜・祝日定休(寺子屋は月曜営業)。

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