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萩の「花魁」着付け店が2周年 人力車で萩観光、「女性の生き方を形に」

「日本の誇る芸術品である着物の美しさを知ってほしい」と話す登城良子さん

「日本の誇る芸術品である着物の美しさを知ってほしい」と話す登城良子さん

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 萩市田万川の花魁(おいらん)着付け専門店「Tao SAKURA」(TEL 090-5432-1766)が12月1日で2周年を迎えた。

花魁姿で城下町を観光する様子

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 店主は、美容師や化粧品販売員など30年以上にわたって美容に携わってきた登城良子さん。「これからの人生で自分に何ができるかと考えたとき、美容業の経験から『人をきれいにすることができる』と思った。日本が誇る着物文化と観光地・萩の土地柄、自分らしさを生かせる仕事をと考え、花魁着付けに行き着いた」と話す。

 ビジネススクールや本場・京都に行って研究を重ね、空港やキャンプ場にもほど近い自宅を改装して開業にこぎ着けた。着付けからヘアメーク、萩市内の史跡での写真撮影などが体験でき、萩市の「ふるさと納税」返礼品にも選ばれている。

 本格的な花魁の着付けを提供するほか、明治時代風のドレスなど約20着を用意。着物レンタル料は5万円~、ドレスレンタル料は2万円~。人力車に乗っての城下町散策や、ドレスでアフタヌーンティーを楽しむオプションも用意する。

 これまでの利用客には80代の女性もおり、カナダやドイツなどの外国人観光客と客層は幅広い。登城さんは「花魁という職業にはどうしても悪いイメージが付きがちで、『どんな商売をしていた人たちか知っているの?』と言われてしまうこともあるが、実は花魁は当時トップクラスの教養と風格、美貌を兼ね備えた気品ある女性たちだったことを知ってほしい」と話す。

 イベントとして、元遊郭の建物をそのまま生かした旅館「芳和荘」(東浜崎町)での花魁モデル撮影会などを企画し、地域振興にも取り組む。「かつて萩で生きた花魁たちも、職業柄、かなわぬ恋に泣いたこともあったはず。そうした女性たちへの『弔い』の意味も込めて活動している」とも。

 「人力車で萩の風を感じながらスター気分を味わってほしい。『インスタ映え』を求める若い人たちだけでなく、還暦の記念など年齢を重ねた女性にこそ体験してもらい、これまでの生き方や貫禄、風格を花魁という形で記念に残してもらえれば。オリンピックイヤーを前に、海外の人にも日本文化や萩の魅力を発信したい」と笑顔で話す。

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