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山口・阿知須の道の駅に新名物 カボチャ星型かりんとう「ぱんぽきん」

「地域に愛されるお菓子ができた」と西倉さん(右)

「地域に愛されるお菓子ができた」と西倉さん(右)

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 山口・阿知須の道の駅「きららあじす」(山口市阿知須、TEL 0836-66-1001)で11月27日、阿知須特産のカボチャ「くりまさる」を使った菓子「ぱんぽきん」の販売が始まった。

星形をした「ぱんぽきん」

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 菓子店「銭の菓子本舗」(鋳銭司)が製造する同商品は、ペースト状のくりまさると同市名田島産の米粉などを使うかりんとう。製造を担当する大田直江さんのアイデアで星形にすることになった。「駅名に星形はぴったりだと思った。この形なので、先端はカリッとしているが、中は柔らかいという楽しい食感にもなった」と大田さん。

 苦労したのは、「揚げ温度の調整。最初は石のように固く、温度を変えると今度は真っ黒になってしまった。かりんとうを手作りするのにここまで苦戦すると思わなかった。諦めかけたときもあった」(大田さん)。試行錯誤をくり返し、くりまさるの優しい黄色を残し、高齢者も食べやすい固さのかりんとうが完成した。販売は同駅のみで行う。価格は350円。

 「食べ始めると手が止まらない。飽きのこないお菓子に仕上がった。今後、新たな名物になると思う」と同駅の久冨貴大さん。大田さんは「お客さんには高齢者の方が多いと感じる。昔食べたような懐かしいかりんとうだ、と親しんでほしい」とほほ笑む。

 現在は販売していないが、以前同駅には同名のかりんとうがあった。そのことを知り、今回の商品開発に向けて生産者と作り手、売り手をつないだのは、奈良県出身の西倉慎顕さん。

 西倉さんは山口大学農学部を卒業し、三重県の食品メーカーで商品開発に携わっていた。「山口市地域おこし協力隊」の隊員募集を知り、「山口県のことは好きだし、自分の知識を生かせるのではないかと感じた」ことから応募。7月から同隊の隊員として、山口県南部の地域資源を活用したニューツーリズムの形成や6次産業化などによる商品開発に取り組んでいる。

 同商品が販売までたどり着き、西倉さんは「味や表示、POP作りなど、時間はかかったが、完成して一安心している。同時期に制作していた『スイートパンプキン』という商品も12月6日から販売を始めた。南部地域にはまだ計画中のものがあるので、これだけで満足せずに頑張りたい」と意気込む。

 これからの活動については、「南部には農家が多いが、一日を農作業に追われていて加工のことを考えられる時間がない人が多い。そういった人の意見を聞き、今回のように加工者と販売者をつないでいけたら。地域の食を多様化して、今ないものを作っていきたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は8時30分~19時。

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