東日本大震災の発生から1年半が過ぎた9月12日、宇部市街を15人の僧侶が練り歩いた。
この取り組みは、県内の臨済宗派の寺から成る「山口県臨済宗連盟」が、被災地復興への願いを込めた支援活動の一環として昨年3月から行っている托鉢(たくはつ)行。「仏法が全てのものを慈しみ潤す」という仏教の教えを基に、岩国や萩、下関など県内各地から僧侶が一堂に集まった。
麻衣とわらじ、網代(あじろ)笠を身にまとった僧侶らは、宗隣寺(宇部市小串)を出発。市立図書館前や琴芝商店街、新天町アーケード内や山口大学医学部付属病院前小串通りなどをルートに、義援金を募りながら「ほーほー」と唱(とな)え、約6キロを約1時間40分かけて行脚した。
県内各地で隔月に実施し、今回が8回目。「宇部では見かけない托鉢(たくはつ)行を、どれだけ皆さんに理解・協力してもらえるかが不安だったが、予想以上の方に『ありがとう』と声を掛けていただきとても励みになった」と宗隣寺の山中祐生さん。
「今後、被災地で支援活動することも視野に活動していく。物資などもさることながら、仏のそばにいる者として被災地に心を届けることができれば」とも。
次回は11月、防府・芦樵寺(防府市)を中心に行う。