宇部・草江の住宅街に移転オープンした八百屋「野菜・果物・花 縁(えにし)」(宇部市草江1、TEL 0836-21-5777)が話題を呼んでいる。
2010年12月、大手ディスカウントスーパーなどが立ち並ぶ市内北琴芝エリアに開業した同店。スーパーに陳列されている「形が良くて安い」商品よりも「安くておいしい」をモットーに約2年半、同所で営業してきたが、駐車場が無いことなどから5月に移転した。
移転後、以前の店の常連客や草江エリア周辺の女性利用客を中心に「野菜がおいしい」と口コミで話題になり、「来店客数も売り上げも増えた」(店主)という。「移転前は近隣のスーパーの商品と価格比べをされることが多かったが、それに気後れすることなく営業してきた。今は、お客さまが商品と向き合って選ばれることが多くなった」とも。店主の妻は「今どき八百屋のみでやっていくのはすごい、とお客さまに言われたこともある」と笑顔を見せる。
自宅の一部を改装した新店舗の面積は約10坪。店内には、下関の市場から仕入れる果物や葉物・根菜類の野菜、下関・彦島の豆腐やみそなど約40種類を用意。現在は、ゴーヤ(130円)、新ゴボウ(100円)、ミニトマト(150円)、相島のスイカ(2,990円)などの旬の野菜をそろえる。そのほか、市内の農家を当たり直接交渉して野菜も仕入れるという。
「約30年間、野菜の卸売りを中心にやってきた。スーパーなどへの卸では買ってくださるお客さまの声は聞こえないが、今は、おいしかった野菜のことや商品のリクエストなど、ダイレクトに意見を聞くことができる。コミュニケーションをとりながら近所の方にも親しんでいただいているのでうれしい」と店主。
「私がおいしいと思ったものを提供している。このご時世、八百屋一本でやっていくということに抵抗が無いわけではないが、『自分にはこの道しかない』とやってきた。お客さまとの縁を大切にしていきたい」と話す。
営業時間は9時~18時。日曜定休。