「第26回UBEビエンナーレ」(現代日本彫刻展)が10月4日、ときわミュージアム彫刻野外展示場(宇部ときわ公園内)で始まった。
同ビエンナーレは、1961(昭和36)年から隔年で開かれている国内で最も古い歴史を持つ野外彫刻国際コンクール。昨年秋に行われた模型審査には、世界30カ国から266点の応募があり、40点が入選。実物制作に進んだ18作品を含む模型作品は、同ミュージアム第1企画展示室で展示している。
今月3日に行われた選考委員会で9作品の入賞が決まり、大賞(宇部市賞)には京都精華大学大学院に通う竹腰耕平さん(23歳)の作品「宇部の木」が選ばれた。竹腰さんは今回、自身初めての賞を受賞。同ビエンナーレ史上最年少での大賞受賞となった。
同作品は、重機で幅約3.5メートル・深さ約2メートルの穴を掘り、約1カ月かけて園内しょうぶ園から掘り出した枯れたアカマツの根を入れ、アクリル板で覆った。上から根が地中に広がる力強い様子を鑑賞できる。制作期間は約2カ月。
受賞を受け「大がかりな作業も多く、たくさんの方に協力をいただき支えられて完成した作品。この大舞台にとても緊張している」と竹腰さん。「切り株から下の普段見えない部分を見せることで、この先にはどんな世界が広がっているのだろうと、想像を膨らませて見てもらえたら」と笑顔を見せる。
同日行われたオープニングセレモニーで、久保田后子宇部市長は「半世紀以上の歴史を持つこの国際コンペを、多くの市民の応援と支えがあって今年も開催できることをうれしく思う」とあいさつ。「今回の大賞受賞作品『宇部の木』は、まさにビエンナーレの原点と言えるコンセプトの作品。展示作品どれもが世界に誇れる素晴らしい作品。それぞれの感性で、作品に込められた作家の思いを受け止めてほしい」とコメントした。
入場無料。同展は11月24日まで。
今回は初の試みとして、同会場で彫刻の夜間ライトアップを実施する。実施期間は10月10日~11月29日の金曜・土曜・日曜・祝日・祝日前日。18時~21時。