宇部ときわ公園(宇部市則貞3)内の「ときわ動物園」が3月19日、グランドオープンした。
昨年3月に「アジアの森林ゾーン」と「学習施設ゾーン」を先行オープンした同園。今回、新たに「中南米の水辺ゾーン」、「アフリカの丘陵・マダガスカルゾーン」、「山口宇部の自然ゾーン」を新設し、全面開園した。
動物が生息する自然環境を再現した展示方法「環境生息展示」を、日本で初めて全園で採用した同園。霊長類を中心に26種約160点の動物を飼育・展示。各ゾーンでは、飼育員がガイドをして動物の生態などについて説明する。
「中南米の水辺ゾーン」では、アマゾン川流域やアフリカ・パンタナール湿原を再現し、フサオマキザル、チリーフラミンゴ、ミナミコアリクイなど9種を飼育・展示する。イカダを使って浮島に渡り、コモンリスザルの生体を観察できる工夫を設けたほか、国内初となるカピバラとジェフロイクモザルの同時展示も実現した。
「アフリカの丘陵・マダガスカルゾーン」では、草原を駆け回るパタスモンキーや岩場で生活する様子が見られるミーアキャットのほか、「世界で最も美しいサルの一つ」と言われるブラッザグエノンなど5種を飼育・展示する。
「山口宇部の自然ゾーン」には岩場と樹林で構成する丘を設け、活発に動くニホンザルや、タヌキやフクロウ、オシドリの生活を観察でき、地元に生息する動物をあらためて知ることができる。このほか、アルパカやウサギ、モルモットなども「ふれあい動物広場」で見ることができる。
当日は、開園1時間半前から行列ができはじめ、市民ら300人(宇部市発表)が列を作った。関係者を招いての完成記念式典とオープニングセレモニーも行われ、久保田后子宇部市長は「財源の確保や、展示動物のラインアップ、都市公園の中の動物園ということでの難しさなど課題はあったが、多くの方の協力と支えで無事にオープンを迎えることができた」とあいさつ。
「5年前に市制90周年記念事業として整備を始め、やっとのグランドオープン。憩いの場であり、学びの場である動物園として親しんでもらい、新たな観光客にも来園いただきたい」と期待を込めた。
開園時間は9時30分~17時(春休み、夏休み、冬休み、ゴールデンウイーク期間中、土曜・日曜・祝日は9時から)。火曜休館(火曜が祝日の場合はその翌日)。入園料は、一般=500円、3歳以上中学生以下=200円、70歳以上=250円。問い合わせは宇部市常盤動物園協会(TEL 0836-21-3541)まで。