
背の高い花を咲かせる巨大コンニャクの一種「アモルフォファルス・デカス・シルヴァエ」(インドネシア・ジャワ島西部原産、サトイモ科)が6月3日、宇部ときわ公園(宇部市野中3)内「ときわミュージアム 世界を旅する植物館」で開花した。
同園では2023年5月18日にも国内3例目として開花しており、今回は同園2例目、国内5例目となる。開花したコンニャクは前回開花時と同株で、全高=267センチ(花茎=140センチ、花序=127センチ)だった前回から大きく記録を伸ばし、全高=313センチ(花茎=188センチ、花序=125センチ)となった。
同園企画課主任で樹木医の越智大吾さんは「国内でも所有している施設が少ない希少な花。私が把握している中では、恐らく同種として日本で一番の高さになったのでは。もし『それよりもっと高くなった記録を知っている』という人がいれば、ぜひ教えてほしい」と話す。
3日夕方ごろに仏炎苞(ぶつえんほう)が開き始め開花の兆候を見せたことから、同園では急きょライトアップと夜間開館を実施。コンニャク属の花の特徴である、昆虫などを引き寄せるための「強烈な腐臭」を体感しようと、約140人もの来館があった。
同園企画課主任の島谷恵子さんは「急な告知にもかかわらず、多くの方に来場していただいて感謝している。ライトアップされた『デカス』はりりしく光り輝き、まるで、ときわ公園の100周年を祝ってくれているようだった」と話す。
越智さんは「前回は開花から5日間ほど付属体が立っていたが、やはり段々、状態が悪くなっていったので、今回もきれいに見ることができるのは2~3日程度だと思う。開花自体が珍しく、また次に、いつ咲くか分からないものなので、近くの方はぜひ、この機会に見に来てほしい」と呼びかける。
開館時間は9時~17時。火曜休館。