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山陽小野田に茶房「咲乃家」 日本庭園を眺めながら気軽な茶道体験提供

「茶道体験」の様子(写真提供=咲乃家-さきのうち-)

「茶道体験」の様子(写真提供=咲乃家-さきのうち-)

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 茶道体験を提供する「茶房 咲乃家-さきのうち-」(山陽小野田市有帆)が6月29日、山陽小野田・有帆の住宅街にオープンした。

提供する抹茶と和菓子

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 茶歴15年の野原美津恵さんが出店した。「実家の近所の方に木のテーブルを作ってもらったのが事の始まり。マルシェへの出店や知人から使わなくなった茶道具を頂いたこともきっかけになった」と話す。

 野原さんは今年2月まで金融関係の企業に勤務し、仕事終わりにそのまま教室に通っていたという。「正装して行かなくても、足の悪い人や正座が苦手な人、どんな人でも気軽に来られる茶室ができれば」との思いで出店した。

 自宅の一室を茶室として開放し、季節に応じた掛け軸、風炉(冬は炉)や窯をしつらえ、目の前で抹茶をたてて提供できるようにした。和菓子店「美里庵」(宇部市上宇部)の菓子も用意する。一服目は野原さんがたて、二服目に略式手前で客自身がたてる茶道を体験し、枯れ山水の庭を眺めながらお茶を楽しむ。

 円座のある「待合」(茶室に向かう待合所のこと)を新たに設け、当日に提供する抹茶や花、菓子を手書きした「本日のご案内」を備えた。その後、蹲(つくばい)で手と口を清めるなど、茶事の流れを体験する。

 提供する体験コースは、畳で細かい作法を伝える「茶道体験コース」、テーブル席で作法の流れを簡単に説明する「お気軽茶道体験コース」の2種類で、どちらも点前体験、薄茶二服、主菓子と干菓子付き。体験時間は約1時間で、最大4人まで。完全予約制。料金は1人2,200円(抹茶を一服のみ希望する場合は1,100円)。

 野原さんは「抹茶を飲む時に茶わんを回す(茶わんの正面を避ける)などの一連の作法は、目に見えない敬いの心。茶の湯の世界に触れることで、より日常生活でも相手への心遣いや感謝の気持ちを大切にしてほしい。『故きを温ねて新しきを知る』という言葉があるように、日本伝統の和文化を知り、静かな時間に身を置き、小さな音に耳を傾けることで、今行き詰まっていたとしても新しい何かを見つけられるはず」と話す。

 「ふわりと立ち上る香り、茶せんでシャカシャカとお茶をたてる音、茶室に差し込む木漏れ日の光など、五感を通して一服のお茶とともに自分のためのおもてなしや心をほどいてくれるひとときを過ごしてほしい。日常から離れて深く呼吸ができる癒やしの場となり、自分を大切にする時間を暮らしに取り入れてもらえたら」とほほ笑む。

 営業時間は9時30分~15時。土曜・日曜・祝日定休。

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