
絶滅した動物や絶滅の危機に瀕する生き物について、絵本の世界を探検しながら学ぶ「絶滅動物展―未来へつなぐ生きものがたりー」が7月19日、「萩博物館」(萩市堀内)で始まった。
同展では、絶滅動物の標本や復元模型など200点以上を展示し、絶滅の現状を伝える。来場者は会場で配布されるシートに絶滅動物のスタンプを押し、自分だけの「絵本」を作り上げることで、今ある自然や生きものたちを未来へつなぐために何ができるかを考えるきっかけを得られる。
企画を担当した同館学芸員で陸上生物担当の川原康寛さんは「絶滅を身近に感じてもらいたいと思い、展示内容を世界の絶滅動物、日本、山口県という流れにした」と話す。
人間の乱獲によって絶滅した大型の鳥「ドードー」の模型や、同館が独自に模型化した世界の絶滅動物「オレンジヒキガエル」などを特別に展示するほか、絶滅動物の頭骨模型に実際に触れることができる「体験コーナー」も設ける。
期間中、トートバッグに色を塗って自分だけのバッグを作る「オリジナル絶滅動物トートバッグぬりえ」(8月2日、9月21日)、化石の原石をハンマーで割り木の葉の化石を探す「ホンモノ化石発掘体験」(9月13日)など、5つの「体験イベント」も行う。
同18日に行われた開幕セレモニーには「萩光塩幼稚園」(江向)の年長児が来場した。学芸員の説明に熱心に耳を傾け、「かわいそう」「幼稚園で見つけたカブトムシに似ている」「私がお肉を食べたら絶滅するのかな」などと話す様子も見られた。
川原さんは「絶滅動物や絶滅危惧種に対しての正解は一つではない。未来を担う子どもや大人がどうしたらよいのかを考えてもらうきっかけになれば」と話す。
開館時間は9時~17時。観覧料は大人=700円、高校生・大学生=400円、小・中学生=100円。9月21日まで。