萩産の魚を活用したご当地グルメの普及を目指す「萩市フィッシュカレー協会」が12月7日、発足した。
同協会の代表には、ミシュランガイド東京で2つ星の獲得経験を持つフレンチシェフ・入江誠さんが就任。萩市内の水産加工会社や市と連携し、これまで廃棄されていた魚のアラや骨を使った「萩の地魚フィッシュカレー」のブランド化を目指す。
協会設立のきっかけは、市職員から入江さんへの相談だった。「萩で良い魚が獲れるのに子どもの魚離れが進んでいる」「甘鯛の加工段階で出る未利用部位を活用できないか」という課題に対し、入江さんはフランスでの修業時代に学んだ「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」の手法に着目した。
商品化にあたり、「旬の地魚がおいしいまち・萩推進協議会」(事務局=市水産課)とともに、「萩の地魚アラ活プロジェクト」を始動。地元の「井上商店」(東浜崎町)が魚介スープの製造を担い、専用のカレールーが完成した。今後、学校給食での提供も予定する。
設立日に行われた「お披露目販売会」(浜崎朝市)では、限定200食(1杯500円)を用意したところ、長蛇の列ができる盛況ぶりを見せた。実食した市民からは「魚の風味がしっかりと感じられる。付け合わせの大根ピクルスもアクセントになっておいしい」と好評だった。
入江代表は「ありふれた『シーフードカレー』ではなく、『フィッシュカレー』と呼ぶことで、新たな山口の名産になり得ると感じている。地元の企業にも賛同してもらえればとの思いで協会を立ち上げた。萩の未利用資源から新しい価値を生み出す取り組みを、全国へ広げていきたい」と話す。
同協会は来年2月、市内飲食店でのフェア開催を計画しており、参加店舗を募っている。問い合わせは「萩の地魚アラ活プロジェクト」(萩市水産課内、TEL 0838-25-4195)まで。