被災地の子どもたちを招き、春休みの期間を利用して安心して過ごすことができる環境を提供しようと現在、福島県の小学生20人が山陽小野田を訪れている。
福島・郡山・いわきなど福島県内出身の子どもたちと、その保護者5人は今月27日に山陽小野田入り。ナチュラルグリーンパークホテル(山陽小野田市千崎)に6泊7日の日程で滞在する予定で、その間は「心と体のリフレッシュ」をテーマに、被災地では制限されている屋外での遊びや自然と触れ合う体験型学習などを予定する。
子どもたちはこれまでに、下関・豊北町でシイタケの菌打ち体験や、雄大な景色で知られる角島巡りをしたほか、29日には江汐公園(山陽小野田市高畑)でたこ揚げや宝探しをして楽しんだ。滞在期間後半には山野草探しや音楽体験などを行うという。
「フラットツアー2012」と題した同試み。放射線量が高い被災地で、マスクなど防ぐ装いをせずに広場で遊んでいる子どもたちを見た下関市在住の高岸春幸さんが「環境を気にせずに遊んでほしい。山口県内でも何か子どもたちにできないか」と発案。「FLAT FLATプロジェクト」を立ち上げた。フェイスブックで呼び掛け、山陽小野田を中心とする有志約15人と同ツアーを計画し実現にこぎ着けた。
福島県西白河郡から訪れた1年生の岡崎桜ちゃんは「たこ揚げができて良かった。ここに来てからみんなと遊べて毎日楽しい」と笑顔を見せる。
郡山から母親と弟と訪れた4年生の池田丞一くんは「自然がいっぱいある場所で外遊びができることが本当にうれしい」と満面の笑みを見せる。「サッカーをするときは大体体育館。グラウンドでできても30分くらいしか遊ぶことができない。郡山とは何もかも違うけれど、ずっと山口県にいたいなとも思う。残りの時間も思いっきり遊びたい」と話す。
震災後、約10回にわたり福島で支援活動を行ってきた高岸さん。「最初子どもたちは緊張していたようだが、日に日に遊んで元気になっているように感じる。子どもたちの笑顔が咲けばと企画したが、これからも長くつながり、お互いに学び合うなどして輪を広げていきたい」と話す。
子どもたちは4月2日に帰郷する。