宇部の建設会社「JV(ジェイブイ)」(宇部市新天町1、TEL 0836-35-0556)は5月4日、高台への集団移転が決まった被災地の岩手県陸前高田市広田町で高台壁面の公共工事を行うことを明らかにした。
同日、同町集団移転協議会と協定を締結。2万6827平方メートルの壁面を、同社の独自技術「ブランチブロック工法」で施工する。同工法は、蜂の巣状に組み合わせたコンクリートブロックの間に石を積むもので、実際の工事は陸前高田の業者が担当するほか、コンクリートブロックも現地で生産するという。
甚大な津波の被害を受けた同地区で集団移転するのは326戸。着工は7月上旬を予定。「工期が短いことが特徴なので、生活の安定を1日でも早く取り戻すためにも復旧のスピードを早めたい」と同社統括顧問の城光さん。
同工法周知のため、4月にはJR陸前高田駅の跡地近くに同工法による防潮堤サンプルを設置し、有効性をアピールしてきた。
昨年から陸前高田市に何度も赴き、今年に入ってからは主に現地で生活を送り活動しているという城さんは「岩手を拠点にして、他県への導入や河川などの箇所への施工も進め、より良い復興の仕方を考えたい。私たちはあくまで技術指導で、技術は無償で提供していく。今後も継続的に支援を続けていきたい」と話す。