阿知須町商工会(山口市阿知須、TEL 0836-65-2129)は2月8日より、山口・阿知須商店街の店をつるし雛で飾りつける「阿知須のひなもんまつり」を開催する。同イベントは今年で3回目。期間中、山口・阿知須商店街の呉服店、家具店、喫茶店など30店舗の店先や店内に、阿知須のつるし雛「ひなもん」をつり下げる。
阿知須の女性で構成された「あじすプチ工房ひなもんグループ」が福岡県柳川市のつるし雛「さげもん」を手本に4年前から作り始めた。手作りのちりめん細工の人形や鞠をつなぎ、天井からいっぱいにつるす。1個のちりめん細工を作るのに半日から2日かかるという。これを50個作り、1つりの飾りが完成するまで、色合いや組み合わせを考えながら作っているという。
「ひなもん」誕生のきっかけは、同商工会が約10年前から力を入れるようになった町おこしだった。「何か阿知須の町おこしになるものを」(同商工会)と考えていたところ、視察で訪れた福岡県柳川市の「さげもん」を目にして、阿知須に残る古い町並みに飾りつけることを思いついた。ちぎり絵や刺繍などの手工芸活動を行っていた藤本さんと緒方さんが中心となって、さげもんを作り始め、今では6グループ約70人が活動を行っている。
最初は柳川の「さげもん」を作っていたが、作り方を簡略化したり、アレンジを加えることで阿知須のオリジナルさげもんに変化を遂げていく。そこで、ひなまつりにかけて「ひなもん」と名付け、同商工会は「阿知須のひなもん」としてアピールしていくことを決めた。現在、11月の「街角ギャラリー」、2月の「ひなもんまつり」、3月の「サンパークあじす」や「道の駅きららあじす」での展示などを通じて「阿知須のひなもん」が定着しつつあるという。
藤本さんと緒方さんは「もともと手工芸が好きな人ばかり集まったことで、ここまで『ひなもん』が広がったと思う。作るのに時間も手間もかかるが、好きだから楽しんでできる。若い人が受け継いで、阿知須のひなもんを残し続けてほしい」と話している。
2月11日、12日、17日には、先着200人を桜もちと茶で接待する。2月17日まで。
阿知須町商工会
(©マルニ)