宇部の渡辺翁記念会館(宇部市朝日町)で10月28日、音楽と食事を楽しむイベント「やまぐち国際音楽祭 序章」が開催される。
ホールではピアノコンサート、ロビーでは地元飲食店が提供する食事やドリンクを楽しめる同イベント。同館に展示されている1922(大正11)年製造の壊れたスタインウェイ社製ピアノを修復するプロジェクト「伝説のピアノ復活計画」の一環で開く。
ピアノコンサートに出演するのは、これまでにも同プロジェクトに携わった国内外で活躍するピアニストのモナ=飛鳥・オットさんと碓井俊樹さん。「猫のワルツ」や「子犬のワルツ」、ノスタルジックな「月光」、連弾で奏でる組曲「動物の謝肉祭」などを演奏し、地域住民が参加する企画も行う。
1階ロビーには飲食販売ブースを用意。出店するのは「ブーランジェリー パン・ベルデュ」(新天町2)、レストラン「CAPTAIN」(港町1)、「洋風居酒屋 知路留の舘」(中央町1)、レストラン「polepole」(松島町)、「BAR REY」(上町1)、フレンチレストラン「melimelo」(相生町9)、「篠澤酒舗」(西中町8)、「Bar 竹」(常盤町2)。
「夜会」のイメージで演出する2階ロビーでは、20時30分から「ロビーコンサート」を開く。宇部興産初代社長の俵田明邸から宇部市に寄贈され、これまで宇部市立図書館2階に保管されていた「ベヒシュタイン社製ピアノ」を碓井さんが演奏し、音楽評論家の紺野等さんが演奏曲について解説。来場者はテーブル席や長椅子に腰掛け、演奏と食事を楽しめる。
2012年から同プロジェクトを主宰するSAKI-DORIプロジェクトの真部尚志代表は「宇部の宝の保存・活用に向けて地域を巻き込むために、今回は『食』を絡ませた。ロビーを大胆に活用することで、記念館を利用する音楽イベントに一石を投じ、イメージチェンジを図ることができれば」と話す。
今回を「序章」と題し、来年からの「本編」に向けて動き出した同プロジェクト。真部さんは「『伝説のピアノ復活計画』を主軸に、宇部の音楽の歴史を感じるコンテンツで地域を盛り上げたい」と意気込む。
開催時間は17時~21時。ロビーでのイベントは入場無料。ピアノコンサートは18時開演。料金は、前売り=5,000円、当日=6,000円(1ドリンク無料引換券付き)。チケットは宇部井筒屋、宇部市文化創造財団で販売する。問い合わせは宇部市民活動センター「青空」(TEL 0836-36-9555)まで。