9月29日に開幕する「第28回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」に向け現在、宇部ときわ公園で彫刻作品の設置作業が大詰めを迎えている。
会場となる「UBEビエンナーレ彫刻の丘」に設置・搬入されるのは、昨年10月に行われた審査で「実物制作指定作品プラン」に選ばれた15作品。設置期間を7月22日からと8月13日からの2回に分けて行っている。
クレーンなどを使った大掛かりな作業が行われているほか、作家が作品の仕上げ作業を現地で行っている。すでに設置が完了している作品もあり、一足先に作品鑑賞を楽しむこともできる。
イタリアから来日し、今月13日から設置作業を始めたレオナルド・クンボさんは、空から飛んできた星を表現した作品「STAR FISHERMAN(スターフィッシャーマン)」を出展。「2年前に初めて来園したときに、自然とアートが融合するこの公園にとても驚いて応募を決めた。実物制作に選ばれた外国人は3人で、その中でも欧州圏は私だけなのでとてもうれしい」と笑顔を見せる。
「設置作業中に公園を散歩している人が興味を持って話しかけてくれるなど、交流が楽しい。この作品は降ってくる星を受け止める『何か』を表しているが、それぞれの感性で解釈して見てほしい」とも。
同園ときわミュージアム学芸員の三浦梨絵さんは「今回は作品の存在感というよりも、ときわ公園の景色がないと成り立たないような自然的で環境に寄り添ったような作品が多い。時間帯や見る角度、カメラの位置によっても表情を変える面白い作品もある。開幕を心待ちにしてもらえれば」と話す。
彫刻の設置作業は今月23日まで。同展の開催期間は9月29日~11月24日。