冷凍生ギョーザの無人直売所「餃子(ギョーザ)の雪松 宇部店」(宇部市東岐波)が9月24日、宇部にオープンした。
運営は同店を全国に423店舗を展開する「YES」(東京都)。1940(昭和15)年に開店した中華食堂「お食事処(どころ)雪松」(群馬県)の看板メニューだったというギョーザを受け継ぎ販売する。2018(平成30)年9月に1号店となる「入間店」(埼玉県)をオープン。宇部店オープン同日には下関にも出店した。県内の店舗数は合わせて8店舗になる。
同社マーケティング部長の高野内謙伍さんは「当初は1,000円カットや不動産業を営んでおり、飲食とは無縁の会社だった。(雪松の)3代目店主・松井茂さんが後継者に困っていたところ、松井さんのおいで当社社長の長谷川保が『雪松の味をなくしたくない』と継承。飲食業に初めて参入した」と振り返る。
当初は有人でギョーザを販売していたが、12店舗目の「大泉学園店」(東京都)から無人販売を採用。店内の冷凍庫から商品を取り出し、料金箱に代金を入れて購入するシステムにした。
高野内さんは「ギョーザには国産キャベツを使う野菜あんを自家製の皮で包んでいる。味は、1年前に亡くなった松井さんも太鼓判を押してくれた」と振り返る。商品は自社工場で製造して全店に直送。生産量は「1日でキャベツ15トンを消費する」ほどだという。
商品は「お持ち帰り用・冷凍餃子」(36個入り=1,000円)のみ。別売りで「雪松特製餃子のたれ」(200円)や保冷パック(100円)を用意。監視カメラを置くのみならず、中が見えるガラス張りの店内や冷凍庫、パッケージなどで安全性や防犯面も工夫しているという。
高野内さんは「野菜の無人直売所からヒントを得て提供している。松井さんから預かった雪松の味を守り続け、より多くの人に食べてもらいたい」と話す。