プラネタリウム上映会とマルシェを組み合わせたイベント「はぶフェス2023 天文館ファイナル!」が3月26日、山陽小野田市埴生の「青年の家」で開かれる。主催は、埴生地区ふるさとづくり協議会や埴生ふれあいまちづくりの会などで構成する実行委員会。
同イベントは、建物や設備の老朽化で「青年の家・天文館」が今年度で閉館することを受け、歴史ある地域資源を思い出に焼き付けるとともに、地域の魅力の再認識や関係人口の増加、地域活性化を目的に開く。
同施設のプラネタリウム投影機「ミノルタプラネタリウムMS-10」は、1966(昭和41)年に製造・設置され、現在国内で稼動している中では最古級の投影機。昨年9月には、国立科学博物館の「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録された。閉館後は製造元で保管されるという。
林紀男実行委員長は「プラネタリウムは57年もの長きにわたって多くの人に感動を与えてくれ、地域のシンボルとして愛され続けてきた。埴生の誇りを子どもたちに知ってもらい、最後の雄姿を地元の皆さんと一緒に見届けたい。ここで終わりではなく、地元を盛り上げようとしている若い人たちをサポートしながら、未来を担う次世代が夢を描けるまちづくりをしていけたら」と話す。
「プラネタリウム特別上映会」は午前と午後の部に分けて各1時間行う。協力金100円~(高校生以下は不要)。協力金は、天文館に関わる事業に充てる。定員は先着順で各100人。
当日は、埴生産の野菜や「地元応援グッズ」などの地元産品、弁当、パンなどを販売する「マルシェ」、JALが協力する「紙ヒコーキ飛ばし体験」(無料)、焼きそばやたこ焼き、デザートなどを販売する「キッチンカー」なども展開。併せて、埴生中学校総合文化部や全国を歩いて旅するシンガー・ソングライター「aika」さん、ジプシーバイオリニスト・平野郁乃さんなどによる「ステージイベント」も行う。
同館で30年前に使われていたというスタンプを使い、高校生以下対象のスタンプラリーも実施。会場内を周遊してスタンプを集めるほか、同館初代オペレーターを務めた中林昭子さん、埴生出身のフリーアナウンサー・松中恵子さんなど、会場各所に潜む「埴生人」を探してシールを集めると景品が進呈される。
イベントの最後には閉館セレモニーとして「もち・菓子まき」を行うほか、来場客が折り紙を空に向かって「紙ヒコーキ」を飛ばす。
同イベントに携わる久保田宏司さんは「『地元主催で地元のためのイベントを開催したい』と声が上がり、地元企業や個人有志の協賛を得て、閉館直前の最終日曜に開催することになった。地域の大事な資産がなくなる寂しさや今までの思い出を地域の皆さんで共有したい。今回のイベントが歴史の終わりを告げるだけでなく、埴生地区の将来に向けた希望をつなぐものとなれば」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~16時。雨天時は一部内容を変更し、体育館一帯で実施する。