買い物困難者向けに総菜を提供する地域課題解決型キッチンカー「おはぎ」(萩市椿、TEL 090-8167-3567)が8月1日、サービス開始から6カ月を迎えた。
萩出身で元生活指導員の石光稚葉さんが出店。「『免許を返納して買い物に行けない』『1人で住んでいて誰とも話す機会がない』という声や、飢餓が原因で孤独死した高齢者のことを知り、福祉サービスだけでは補えないサポートの必要性を感じた。買い物困難者や子育て世帯の助けになれば」と起業を決意した。
石光さん自身が3児の母であることから、子育て世帯の助けや地域のコミュニティー作りも見据えてキッチンカーを選択した。商品は、白米は自分で用意できる人が多いことから総菜のみとし、栄養士の資格を持つ柴川美和子さんと共に、栄養バランスを考えて製造する。
提供するのは、主菜1種・副菜4種のワンプレート(400円)で、主菜は肉と魚の2種類から選べ、飽きがこないようにと日替わりで提供する。「高齢者や子育て世帯にも購入しやすい価格に設定した」と石光社長。コミュニティーの場になればと、団子やゼリーなど食べきりサイズのスイーツのほか、ドリンク類もそろえる。
販売ルートは、萩のむつみや大井地区など市街地から離れた場所をメインにする。福祉施設や保育園なども含めて1日4~5箇所を巡回し、高齢者からは「台所に立つことがつらいのでとてもありがたい。話していると元気をもらえる」という声が届いているという。
石光社長は「明るくて元気がもらえると言ってもらえることが多く、こちらもありがたい。私たちも元気で1日でも長く続けていけるように、これからも頑張っていきたい」と笑顔を見せる。
営業時間は9時~17時。日曜定休。