視覚に頼らず、手で触れることで造形物と対話する展示イベント「さわるかたち みるかたち」が3月29日、萩・明倫学舎3号館(萩市江向)で始まった。
同展は東京藝術大学(台東区)が主催し、萩のギャラリー「CASA」(呉服町2)が運営する。地元の萩焼窯元「牧野窯」(三見)や、視覚障害者向けサービスを展開する「アイズ」(台東区)などの企業も連携し、アートを通じた新たなコミュニケーションと地域活性化を模索する。
会場には、東京藝大の学生が制作した造形物約20点のほか、牧野窯が萩焼で制作したオブジェなどが並ぶ。
プロジェクト代表を務める同大の佐藤直樹教授は「同じ形を石粘土と3Dプリンターの2つの材質で展示している。実際に触れ、手から感じる重さや質感、美しさを体験してほしい」と話す。
「多様な人々が粘土を通じて感情を共有するコミュニケーションツールとしての可能性を模索した。この試みが、将来的な商品化や萩焼の新たな可能性を広げるきっかけにもなれば」とも。
オープニングセレモニーで、造形物の展示監修を務める山崎宣由教授(デザイン科、「崎」はたつさき)は「原始的に粘土をこね、形から感じ合う対話を大切にした。視覚や聴覚に障害がある方の職業選択が限られる中で、クリエイターとしての可能性を広げる一助になれば」と挨拶。「来場者にも好きな形や嫌いな形を楽しく見つけてもらい、産業活性化や創造性の種にしたい」と期待を込める。
開催期間は、4月29日まで。