山口・阿知須の阿知須商店街で2月9日、「つるしびな」を商店街に飾りつける「阿知須ひなもんまつり」が始まった。
今年で7回目となる同イベント。JR阿知須駅や阿知須商店街の呉服店や家具店、飲食店など34カ所に「ひなもん」をつりさげる。
「ひなもん」は、福岡・柳川のつるしびな「さげもん」を手本にしたもので、9年前に阿知須の町興しとして取り入れられ、「さげもん」から、季語の「ひな」をとって「ひなもん」と名付け「ひなもんまつり」として始まった。作り方の簡略化やアレンジを加えるうちに阿知須独自のものとなった。
「ひなもん」のちりめん細工には、近年作られたちりめんの布や、昔の着物の布も使われ、その風合いを楽しむことができる。制作は、1つの小さなまりで数分、ツルやカメなどで2日かかる。下げられるちりめん細工は、当初は「さげもん」と同じく「這い子」やネズミ、サルなどだったが、最近ではそのベースは変わらずに、フクロウやウサギなどその種類が幅広くなってきているという。
阿知須に「ひなもん」広めた第一人者の緒方勝子さんと藤本慶子さんは「ひなもんが定着して本当にうれしい。作る人も増えつつあるので、これからもひなもんを若い世代に受け継いでいってほしい」と期待を寄せる。「色とりどりのちりめん細工を楽しんでもらえれば」とも。
美祢から見物に来たという60代女性は「ひなもんを一度見てみたかった。色鮮やかですてきで、とてもかわいらしい。来年もぜひ来たい」と笑顔を見せた。
今月13日まで。