宇部・恩田のコープ宇部店(宇部市恩田町1)に現在、使用済みの食用油を回収するボックスが設置されている。
ボックスが設置されたのは今月1日。宇部市が宇部衛生工業社(妻崎開作)と生活協同組合コープやまぐち(本部=山口市小郡上郷)の2社と協力。コープ宇部店で回収した油を宇部衛生工業社の食品リサイクルセンターのプラントで精製し、バイオ・ディーゼル燃料にリサイクルする。
精製したバイオ・ディーゼル燃料は排ガスからの黒煙の発生が軽油の3分の1に削減でき、硫黄酸化物もほとんど出ないため「環境に優しい」燃料として宇部市小野地区を運航している生活交通バスの燃料に使われているほか、同社車両やリフトや発電機などに使われる。
回収に出す廃油は、天かすなどのごみをできるだけ取り除き、飲料用の500ミリリットルのペットボトルに詰めてボックスに入れる。動物性の油や鉱物油は対象外。県内スーパーでの廃油の回収は初の試みながら、これまでに約68リットルが回収された。
宇部衛生工業社取締役事業部長の中島浩さんは「日本には燃料となるものがないから、自分たちで燃料を作り出せることはとても素晴らしいこと。使える資源が捨てられていることはとてももったいないので廃油回収に協力してもらえれば」と呼びかける。
同社が廃油リサイクルの事業を始めたのは2年前。約90件の市内の飲食店から廃油を回収し、月に約2,500リットルをバイオ・ディーゼル燃料にしてきた。
現在、ときわ公園内を走る業務用車両に同燃料の導入が検討されている。