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山陽小野田の建設会社、「偶然の産物」から雑草防除剤開発-普及目指す

雑草防除剤「カブール」が施工されているときわ公園前の中央分離帯

雑草防除剤「カブール」が施工されているときわ公園前の中央分離帯

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 山陽小野田の「ヒロ建設」(山陽小野田市日の出2)が開発した雑草防除剤「カブール」が4月28日、国土交通省が運営する新技術情報提供システム「NETIS(ネティス)」に登録された。

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 同商品は、火力発電所から出る石炭灰(クリンカアッシュ)を再利用したもので、水や接着剤などと練り合わせて地表面を直接覆うことで雑草を防除する。道路の路肩や中央分離帯などのほか、一般家庭の庭や駐車スペースなどにも利用でき、コンクリートよりも施工工程が少ないため低コストでの施工が可能。

 石炭灰の保水性や吸水性、通気性の良さという性質に着目した同社。路肩や中央分離帯に植えてある樹木の根元まで敷き詰めても影響がないため、隙間なく敷き詰めて雑草を防除することができるほか、着色も可能で周りの景観に合わせて使用することができる。

 「最大の特徴は石炭灰を使ったリサイクル商品だということ」と丸山浩美社長。「古墳を保護するための商品を開発しているときに偶然できたものを改良した。コンクリートに比べると強度は弱いが、10年間は持つのでエコ商品として普及させていきたい」と期待を込める。

 アスファルト舗装に比べ表面温度が上昇しにくくヒートアイランド現象の抑制効果も期待できる同商品は、現在建設中の宇部湾岸道路の路肩にも使用されている。これまでに宇部市内のほか、下関、山口、周南地域の中央分離帯にも使用されており、販路は徐々に増えつつあるという。

 商品名の由来について、総務部長の丸山正美さんは「雑草にかぶせるから『カブール』(笑)。海外に進出するぞと言う意味も込めている」と話す。「NETISに登録されたことで一つ強みができた。これからは胸を張って商品を薦めていきたい」と話す。

 価格は1袋1,000円(0.5平方メートル施工可能)。

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