山陽小野田の小野田港沿岸海域で7月26日、今年最後の「ナルトビエイ一斉駆除」が行われた。
今年は、昨年より2週間ほど早い5月10日から駆除を開始。全10回の駆除で約23トン(1匹当たりの平均重量約17.5キロで換算すると約1314匹)のナルトビエイを捕獲した。
一斉駆除は、有帆川河口や海水温が高い新小野田発電所周辺を中心に行い、6月中旬にかけてのピーク時には多い日で約6トンを捕獲。今年最後の一斉駆除では漁船7隻が2時間ほどで366キロ(24匹)を捕獲した。
ナルトビエイは、アサリを主に食い荒らすことで漁業に深刻な問題を与えており、県と市が8年前から駆除を開始。暖海に生息する回遊魚だが、地球温暖化の影響に伴う海水温の上昇で瀬戸内海域に生息するようになったと考えられている。一昨年は約20トン、昨年は約14トンのナルトビエイを捕獲した。
漁業関係者は「年々捕獲したナルトビエイのサイズが小さくなっているように思う。繁殖期を迎える8月以前に駆除していることが関係しているのでは」と話す。
県漁業協同組合小野田支店の中村昇さんは「今年は開始時期を早めたので終了も昨年より早かった。毎年一斉駆除を続けているので少しずつ効果が表れてきているように思う。今後着実に数が減っていけば」と話す。
捕獲したナルトビエイは家畜や魚の飼料を作る原料として利用されるほか、新しい食材としても活用されるという。