40年間にわたり脱原発を訴え続けている京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんの講演会「どの子も幸せになるように-今、知ってほしいこと」が3月18日、宇部市渡辺翁記念会館(宇部市朝日町)で開催される。
小出さんは、大学時代に「これからは石油や石炭に代わり原子力の時代」と原子力工学を志すが、在学中に宮城県女川町の反原発運動を目の当たりにし原発による放射線事故や被害の実態を知ったことで反・脱原発を訴え、これまでに「放射能汚染の現実を超えて」や3.11後に発表し、12万部以上を売り上げたという「原発のウソ」などを著している。
当日は「福島第一原発で起きたこと」を中心に、未来を担う子どもたちや食物の安全性のほか、原発が及ぼす放射能被害などについて講演する。
講演会を企画したのは、小出さんに感銘を受けた宇部・山陽小野田周辺の有志15人で結成した「小出裕章さんのお話を聞く会」。発起人の安藤公門さんは「多くの人に知ってほしい、聞いてほしいと思い企画した」と話す。小出さんについては、「責任感が強い方で、ある講演会では『原発の事故を未然に防ぐことができなかったのは私の責任です』と陳謝もされた」と話す。
今回の講演会に向け、同会は昨年10月から毎週集まりミーティングを開いてきた。10人前後のメンバーが集まり、1週間に起きた原発事故をピックアップし考えを深めるほか、当日に向けてのパンフレット作りなどを行い、現在は直前の準備に追われているという。
安藤さんは「若い人や小さなお子さんを持つ親御さんに関心を持ってもらいたい。原発に賛成する人も反対する人もぜひ一度聞いてほしい」と来場を呼び掛ける。
開演は13時。料金は800円(前売り500円、18歳以下無料)。問い合わせは安藤さん(TEL 080-6331-0960)まで。