山口情報芸術センター（YCAM=山口中園町、TEL 083-901-2222）で7月6日、イベント「アートと環境の未来・山口 YCAM 10周年記念祭」が始まった。

　劇場や展示スペース、ミニシアターや山口市立中央図書館、カフェなどを併設する複合文化施設として2003年11月1日にオープンした同館。メディアテクノロジーを主軸に、同館で独自制作した作品の公開や展覧会、舞台公演や毎週末の映画上映などを行ってきた。

　同イベントは、同館の開館10周年を記念して9月1日までと11月1日～12月1日の2期に分けて、インスタレーションや舞台、作品上映など22イベントを実施。「アート・環境・ライフ」をテーマに同館と市内各所で展開する。

　1期では、子どもを対象にした半屋外メディアパビリオン「コロガルパビリオン」（7月26日～12月1日）や、音楽家・坂本龍一さんや作曲家・上野耕治さんなどによる「THE OPENING LIVE CONCERT」（７月26日）、大音量で映画を鑑賞する「YCAM爆音上映会」（8月23日～25日）などのほか、「強烈なアニメーション作品」を夜通し上映する「変態（メタモルフォーゼ）アニメーション・オールナイト」（7月27日）などを行う。

　そのほか、山口市中心商店街内にはカフェやギャラリーを併設する同イベントの拠点「YCAMDOMMUNE」（道場門前1）をオープン。市民参加型イベントも用意する。

　2期では、坂本さんの新作や同館オリジナル作品の展示を中心に、鑑賞に重きを置き、能楽とのコラボ舞台「野村萬斎＋坂本龍一＋高谷史朗『LIFE-WELL』」（10月22日）や樹木に着目したインスタレーション「Forest Symphony」などを予定する。

　同館の田中みゆきさんは「来館者数は年々伸び続けており、昨年は70万人の方にお越しいただいた。世界に向けて作品を発信する施設として、人材を育成する場にもなっている。メディアテクノロジーの今後も考えながら、これからの10年を見据えるイベントにできれば」と話す。「期間中は随時イベントをしているのでふらりと遊びに来ていただければ」とも。

　イベントの詳細は同館ホームページで確認できる。開館時間は10時～20時。火曜休館（火曜が祝日の場合は水曜休館）。