海上から宇部・山陽小野田の工場群を見学する観光ツアー「大人の社会派ツアー 船舶からの工場群見学と宇部興産専用道路」が6月11日、開催された。
海上から工場群を見学するコースは「大人の社会派ツアー」初の試み。宇部興産専用道路を走行し、宇部興産伊佐セメント工場などを見学するコースと、国内最大規模の石炭中継基地・沖の山コールセンターなどを巡るコースに盛り込んで実施した。
両コースには県内各地のほか、広島や京都などから40~60代を中心に63人が参加。宇部港からクルーズ船に乗り込み、宇部興産OBの渡辺輝弘さんをエスコーターに迎えて出港した。
まず、同港内で宇部興産の工場やセメント原料が積み上げられた風景のほか、大正時代に作られた岸壁の様子などを見学。インドネシアやオーストラリアなどからの大型タンカーが入港し、石炭やセメント運搬の役割を担う「西日本の産業を支える港」であることや、浅い港であるために水深13メートルへの増深が行われていることなどが紹介された。
その後、一行を乗せた船は山陽小野田・西部石油山口製油所の桟橋や本山岬を望み、宇部興産専用道路の橋の下を通り、現在工事中のメガソーラー建設予定地や宇部マテリアルズの工場を眺め、沖合3キロ付近に出て湾岸工場群の全景を堪能。約1時間15分のクルージングを楽しんだ。
宇部市内から参加した藤本公司さんは「地元で暮らしているが、海から見ることはめったに経験できることではないと思い、すぐに申し込んだ。市街地の高いビルや建設中の建物も海から望め、変わりゆく宇部を違う角度から見ることができて感激した。大型タンカーを間近で見ることができたのも良かった」と話す。
京都・宇治から参加した田中義之さんは「地理や貨物のことを調べるのが趣味で、宇部興産専用道路のことも知っていたが、その道路を走行できるだけでなく海上からも見学できるということで参加を決めた。念願がかなってとてもうれしい。またぜひ参加したい」と笑顔を見せる。
今回の「海上から工場群を見学するコース」は、参加者の感想や意見を聞くことに重点を置いたモニターツアーとして実施。参加者の声を参考にしながら来年度の開催や内容などを検討していく。