美祢・大嶺町に救急医療を手掛ける「広域医療法人EMS松永救急クリニック」(美祢市大嶺町東分字沖田、TEL 0837‐52‐9237)がオープンして5カ月がたった。開院日は昨年12月1日。
同院の松永貴志院長は、救急医療を昼夜問わず行う病院として全国で初めて開業した「広域医療法人EMS松岡救急クリニック」(鹿児島県南九州市)の松岡良典院長に共感し、地元で地域医療を行うため、松岡院長にノウハウを学びながら知識と技術を身に付けた。同院は「広域医療法人EMS」グループの2カ所目。
施設面積840坪。場所は、国道316号線沿いのサンマート美祢店ほど近く。院内には、最新型のCTとMRIを備え、1次救急から3次救急まで全ての救急搬送を受け入れる。長期入院や専門治療が必要な場合、適切な処置を施した上で、他の医療機関へ転院搬送する。一般外来は産科を除く全科に対応し、リハビリテーションにも力を入れる。
松永院長は宇部出身。美祢での開業を決めたことについて、「美祢市は医師不足が深刻。救急患者を市外へ搬送せざるをえない現状を打開したかった。ここはアクセスが良く、周辺の市からの患者も受け入れられる」と話す。
通常診療時間には、地域の住人が診察やリハビリのために足を運び、「近くにオープンして助かった」と安堵(あんど)の声が届いている。救急搬送患者は一月当たり20件ほどで、宇部市や下関市から夜間救急の患者も来院するという。
月・火・木・金曜は24時間体制で院を開け、救急患者の搬送に対応している。松永院長は「24時間365日体制が当初の目標。医療従事者の雇用を進め、今夏には達成したい。地域の方に安心して過ごしてもらえる体制を整えなければ」と意気込む。
「救急専門だと思われがちだが、一般外来の患者さんも気軽に受診してほしい。分かりやすい説明を心がけ、困ったことを相談しやすい医師でありたい」とも。
診療時間は、9時~12時30分、14時30分~18時。水曜午後、土曜午後、日曜・祝日休診。診療日はホームページから確認できる。