宇部・西岐波の「吉田芋粥会」が6月11日、同地区に設置した「スズメバチトラップ」の回収を行った。
2012年春からスズメバチによる被害を防止するため、手作りのトラップを各所に設置して対策を行っている同会。今年捕獲したハチは、アシナガバチ118匹、スズメバチ102匹、女王バチ52匹。体長が5センチを超える大きな女王バチも捕らえた。
トラップは、穴を開けて加工した2リットルの空きペットボトルに、芋焼酎、果汁100パーセントのオレンジジュース、食酢を混ぜた誘引剤を入れたものを使う。越冬してくる女王バチが巣作りをする前に捕獲するため、5月1日にトラップ140個を会員宅、通学路、吉田児童公園、西岐波市民センターなどの木に設置した。
きっかけは、2011年9月に同会会員の70代女性がスズメバチによる被害を受けたことだったという。同会の布田悟事務局長は「それ以前にも被害の声を聞いていた。ジーンズの上から刺されても大事になるほどで、1週間以上の入院が必要になったケースも。子どもたちに被害が及ぶ前に対処したいと思った」と振り返る。
同会は2009年2月、吉田地区の住人の親睦を目的に結成。季節ごとのイベントを楽しみ、同地区の共同墓地や児童公園の清掃活動などを精力的に行っている。この日は、8時半から約10世帯の会員がトラップの回収を行いながら、通学路にヒマワリの苗約600本を定植。吉田東バス停近くに全てのトラップを集め、内容物の中から取り出したハチを丁寧に水洗いした。
布田事務局長は「今年も無事終わってホッとした。女王バチの割合は最初の3分の1ほど。この時期にスズメバチを見掛ける回数も減っており、効果を感じている。駆除方法の問い合わせを受けることも増えたが、個人で行うよりも地域全体で取り組む方がはるかに効果的」とアドバイス。
林宏会長は「今年も多くのハチを捕獲し、成果が実感できた。ヒマワリの植え付けまでを楽しんで行っており、とても良い雰囲気。さまざまな活動でコミュニケーションを取り、住みやすい地域をつくっていきたい」と笑顔を見せる。