9月開催のリオパラリンピックに向け、山陽オートレース場(山陽小野田市埴生)で練習合宿を行う「パラサイクリング」の日本代表候補選手と地元中学生が6月15日、親睦イベントで交流を深めた。
パラサイクリングは、国際自転車連合の競技規則の下で行われる障がい者の自転車競技。一部の選手は交通法規により公道での練習ができないため、同所ではレース非開催時の有効活用として走路を開放。昨年11月に続く2回目の練習合宿を14日にスタートした。
日本パラサイクリング連盟の権丈泰巳理事長は「車の飛び出しを気にせず、安全に走れる最適の場所。選手も全力を出して練習をすることができる。関東から来るだけの価値があり、またここで練習したいと考えていた」と話す。
合宿に参加する選手は、藤田征樹さん、石井雅史さん、川本翔大さん、鹿沼由理恵さん、田中まいさん。同連盟のスタッフ6人も帯同してサポート。期間中、午前と午後に練習時間を分け、10~20キロの走行タイムを競う「タイムトライアル」の練習に力を入れるという。
同日は、人権教育への考えを深めようと埴生中学校の生徒106人が訪れ、実際に走行する姿を間近で見た生徒たちから驚喜の声が上がる場面も見受けられた。
選手たちには「体重は何キロですか」「タイヤの太さによって速さは変わりますか」「好きな芸能人は誰ですか」などの質問が投げ掛けられ、「リオパラリンピックで何色のメダルを取りたいですか」という質問には全選手が「金メダルを目指します」と答え、5人の選手と交流して和やかな時間を共有した。
同中学校1年生の倉本蓮大さんは「自転車に触らせてもらい、とても軽くて驚いた。パラリンピックは今まで見たことがないが興味が湧いている。選手を応援したい」と目を輝かせた。
リオパラリンピックへの出場がほぼ内定している選手5人の壮行会も開かれ、藤田選手は「残り3カ月、きっちりと追い込み、戦う準備をしていきたい。ワクワクドキドキしてもらえるパフォーマンスを見せるので、リオまで届くよう応援してほしい。次はメダルを持って帰ってきます」と笑顔を見せ、会場には生徒たちの大きな拍手が響いた。
山陽小野田市は、障がい者スポーツへの理解を深め同競技への認知を高めることのほか、東京パラリンピックのキャンプ地誘致を目的にしており、同レース場のPRも図る。
練習の様子はスタンドから見学することができる。練習合宿は18日まで。入場無料。練習時間は9時30分~12時、14時30分~17時。18日は午前のみ。問い合わせは山陽小野田市文化・スポーツ振興部文化・スポーツ政策室(TEL 0836-83-5700)まで。