東京から沖縄までリヤカーを引いて自らのデビューCDを販売しているミュージシャン・マサーヤンさん(38)が10月22日、山口市内に到達した。
7月7日に東京・新宿都庁前をスタートし、神奈川、静岡、名古屋、岐阜、京都を約2カ月かけて下り、9月11日に大阪・京橋エリアでは京橋経済新聞の取材を受ける。その後、兵庫から四国へ渡り、香川、愛媛を経由して山口に入った。当初は、岡山、広島と山陽路を進む予定にしていたが「いろいろな人から四国は良いよと勧められて」ルートを変更したという。
そんな自由気ままな旅をしているように見えるマサーヤンさん。旅の半分を終えた今の気持ちについて、「出発前にはいろいろな場所を少し観光しながらゆっくり進もうと考えていたが、今はひたすらゴールを目指してまっすぐ進んでいくことしか考えていない」と、ストイックな心境への変化があることを吐露する。
大阪から山口までの道程を振り返り、「旅をやめなければならなくなりそうな事態や、命の危険を感じることもあったが、とにかく旅を続けることを最優先に考えて行動した」という。香川では公園にテントを張って就寝準備をしていると、地元の人が数人訪ねてきてくれて「うどんパーティー」がテントの隣で突然始まって驚いたが、「そのうどんがおいしかった」というエピソードも。
「自給自足の大切さを伝えたい」「暮らしの中に『農』を取り入れてほしい」と農業への熱い思いを、音楽を通して表現することを旅の目的としている中で、柳井市では定職を持ちながら自給率7割の生活をしている人と出会い、「今後の人生でとても参考になった」という。
今後は宇部市内方面に進み、下関にある実家(マサーヤンさんは少年時代を下関で過ごした)に立ち寄り、リヤカーのメンテナンスと荷物の整理整頓の後九州に入り、12月中に沖縄に入ることを目指して進むという。九州は3号線を歩いて行く予定。