設置型の育児情報フリーマガジン「ワイヤーママ山口版」(毎月1日発行)が、設置後すぐになくなるほどの人気を集めている。
山口版の創刊は5月1日。創刊号は1万部を発行したが、「一般の情報誌にはない子育て世代に絞った情報」が人気を呼び、すぐに足りない状態に。創刊2号からは1万2千部に増刷し、県内西部地域(宇部市、山陽小野田市、山口市、防府市、美祢市、下関市)の大型店舗などに設置している。
ワイヤーママは2001年、徳島県で創刊。現在は山口のほか、岡山、佐賀、鹿児島など全国14県で展開。山口版は地域情報誌「タウンペーパーELF」を手掛けるネットワークシステム(宇部市鵜の島)が運営する。
「当誌は0歳から小学校低学年までの子どもを持つ子育て世代がターゲット。店や公園などを掲載する時は、授乳室やトイレの様子を写真付きで詳しく紹介している」と誌面づくりへのこだわりを語る中込弘兆編集長。「子育てに対する不安感を少しでも取り去ってあげたい。子育てパパにもぜひ読んでもらいたい」とも。
中込編集長は9年前に徳島でワイヤーママを立ち上げた時のメンバー2人のうちの1人で、徳島版を軌道に乗せたほか、全国展開も成功させた敏腕編集長。ワイヤーママ山口版を始めたいが人材不足に悩んでいたネットワークシステムと、「徳島ではやりたいことをやり尽くした感があり、新しいことに挑戦したかった」中込さんとの双方の思惑が一致したことから、中込さんが山口版編集長に就任。現在は、徳島からの出向ではなく同社に完全移籍して取材・編集・配布などをほぼ1人で行っている。
「山口に来てタウン情報誌が少ないことにまず驚いた。人口が密集していた徳島と違って山口は人口10万~20万の都市が点在しており、さらに距離も離れている。だからタウン情報誌の運営は難しいのかもしれない。東部版、西部版、関門版ぐらいに分割したほうが良いのかも」と山口での展開の難しさを語りながら、「だからこその戦略が絶対にあるはず。徳島とは違って細分化できそうな山口は面白いし挑戦しがいがある」と意気込む。
今月1日には9月号の配布が始まった。山口に移住して6カ月。現在は宇部市民の中込編集長。子育て世代の人気を集めるワイヤーママ山口版の設置に今日も奔走している。