宇部の中心市街地活性化のシンボルとして保存活用することが決まっていた「旧宇部銀行館」(宇部市新天町1)が9月25日、総合コミュニティホールとしてオープンした。愛称は「ヒストリア宇部」。
同施設は、日本を代表する建築家の一人である村野藤吾さんの設計で1939(昭和14)年、宇部銀行の本店として建設された。1944(昭和19)年からは山口銀行宇部支店として利用され、同支店が新築移転した2006年には解体することになっていたが、翌年に保存活用が打ち出され、イベントホール、交流ホール、交流室などを備えた市民交流施設として再生した。
「イベントホール」(1階)は広さ225平方メートルで、コンサートや演劇のほか、演奏会や映画鑑賞会など多目的に利用できる。最大収容人数は160人。
展示会と講演会、ワークショップなど複合的な企画に最適な「交流ホール」(2階)は広さ95平方メートルで、最大収容人数は90人。
プロジェクターや録音機器などの設備が充実した「交流室」は1階と2階に計4部屋あり、広さは16~34平方メートルで、少人数から20人程度まで規模に合わせて利用できる。
今後の運営は、指定管理者として承認されている任意団体「タグボート」が行う。同団体の河野哲男代表は「当施設は20世紀を代表する建築家の村野さんが残した歴史的な建築作品。吹き抜け構造や天井の八角形装飾など村野さんの意匠を極力残しながら再生した」と話す。「多くの市民に利用してもらい、まちづくりにつながる場にしたい。若者の就業の場にもなれば」とも。
開館時間は9時~22時。第2火曜休館。問い合わせは同施設(TEL 0836-37-1400)まで。