山口井筒屋(山口市中市町3、TEL 083-902-1111)で4月30日、切り絵作品展「敦臣 切り絵の世界展」が始まった。
同展は周南市在住の切り絵作家・中村敦臣さんの1年ぶりの個展で、同所では初めての開催。昨年、山梨で行われた「第1回国際切り絵コンクール」で優秀賞を受賞した作品や、一昨年ニューヨークで行われた国際グループ展に出品した作品から今春完成させたものまで、和紙をカッターで細やかに切って作り上げた作品を展示する。
自身が描いた作品を、偶然そばにあったカッターでなぞりながら切ったことがきっかけで、8年ほど前から独学で学び切り絵作品を制作している中村さん。1年ほど前までは会社勤務の傍らで制作を行っていたが、専念するためにアーティストに転身。「自然」を総体的なテーマに掲げ、独自の世界観を展開する。
今回の個展では、仏教を題材に釈迦(しゃか)を描いたものや日本人ブラジル移民100周年を題材にしたもの、竜をモチーフに2年間かけて4枚で1作を作り上げた大作などのほか、イヌやネコを描いたもの、葉をモチーフに線を0.1ミリほどの幅に切った作品など大小40点を展示。会場では切り絵の実演も行う。
「これまでの作品数は数えられないが、1作1作が勉強しながらの制作。どれだけ切り絵で自分を表現できるのか、ということを心掛けながら追求していきたい。切り絵を、工芸ではなく美術に発展させる中の一人になりたいと強く思っている」と中村さん。「作品から感じたありのままの感想を教えてもらえれば」とも。
開催時間は10時~18時30分(土曜・日曜・祝日は19時まで、最終日は16時まで)。観覧無料。5月6日まで。