山口・湯田の老舗旅館「山水園」(山口市緑町4)の日本庭園に現在、2頭のヤギが「出張」している。
2頭のヤギ「ハルカ」「ハルナ」はともに2歳のメスで、庭園に生える雑草を食べさせて除草しようと秋吉台サファリランド(美祢)から借り受けた。一昨年に続き2度目の試み。
5月31日から「仕事」を始めた2頭は朝から薄暗くなるまで、緩やかな斜面になっている約200坪の範囲を動き回りながら食欲旺盛に食べ進んでいるという。
3種類の様式(池泉庭園、枯山水庭園、露地)を楽しめる約2000坪の広大な日本庭園を持つ同館。中野愛子(ちかこ)社長は「気まぐれで同じ場所を食べてはくれないが、休むことなく食べ続ける働き者の派遣社員。おかげで随分と草が短くなった」と喜ぶ。「時には日陰で休んでいる姿も見受けられ、庭園を散策されるお客さま方には『癒やされる』と喜んでいただいている」とも。
大正時代に建てられた別荘を増築し、1936(昭和11)年に創業した同館。昨年11月には本館が国の有形文化財にも登録された。「今はサツキツツジが見頃。建物や庭の趣と、のどかな雰囲気を楽しんでもらえれば」と来園を呼び掛ける。
入園料は400円。開園時間は10時~15時(入園は14時30分まで)。火曜定休。ヤギの出張は今月8日まで。