宇部市内の事業者同士が異業種コラボした事例を紹介する「コラボ事例発表会」が3月15日、ファームプラザ新天町(新天町2)で開かれた。主催は山口宇部経済新聞。
昨年9月からシリーズで展開してきた、異業種のコラボレーションで新ビジネスを生み出すことを目的とする「山口宇部わくわくコラボ創造プロジェクト」の最終回。今回は総仕上げとして、これまでの参加者での中で、同会をきっかけに実際にコラボに至った事例を7人が発表した。
当日は、山口を拠点にビジネスマッチング支援を手掛けるコンサル会社「やまぐち総合研究所」の中村伸一社長がファシリテーターを務め、宇部を中心に市内外から参加した31人が聴講した。
事例を紹介したのは、人気つけ麺店とコラボしてラーメン店「三代目YUTAKA」(宇部市常盤町1)を昨夏にオープンした「W-Factory」(明神町1)の脇田哲也さん、夏休み期間中に、作家を集めた子ども向けイベントを計画中の新野めぐさん、時計店とコラボした作品を展開予定の家具職人「樹工大樹」(宇部市船木)の鮎川大樹さん、貸しスペース兼シェアオフィスを企画する村上英雄さん、飲食店とタッグを組んだセミナーを行う整理収納アドバイザー「片づけパンダ」の中村美夕紀さんなど7人。
それぞれにコラボに至った経緯やコラボを成功させるための秘訣(ひけつ)、醍醐味(だいごみ)などを語り、聴講者からは、新しいアイデアや改善策が飛び出し、活発に意見交換が繰り広げられた。そのほか、会場には「求めること」「できること」を書き込む掲示板を設置。新たなビジネスコラボの可能性を誘発した。
ビジネスコラボのメリットと注意点の両側面から話を展開した「W-Factory」の脇田社長は「コラボは時間がたつと熱が冷めるので、すぐに動くこと。スピード感が重要。事柄が先に進みがちだが、契約事は特に早い段階で明白にしておかないと、分裂する可能性もある」と経験談を話し、「私はとても良いコラボができている。1年たたずに3店舗目の計画も立つようになるとは思わなかったが、今後も事業を拡大していきたい」と話す。
聴講した、販促商品の制作を手掛ける「エムケイエス」(長門市仙崎)の村田純司社長は「コラボは事業として成功しなかった場合も、必ず成長につながると感じた。異業種とコラボし、チームとして戦略を考えれば小企業も大企業に負けないビジネスチャンスがつかめるはず。今後挑戦していきたい」と話す。
中村社長は、これまでに自身が手掛けてコラボが実現した県外での事例を紹介。「事例の発表会があるのは私が手掛ける中でもまれなケース。次につながる良いフィニッシュになった。宇部を中心に良い土壌ができた。コラボが生まれるだけではなく、ヒット商品や企業の立ち上げへの進化に期待したい」と笑顔を見せる。