宇部市渡辺翁記念会館(宇部市朝日町)で現在、同館の歴史を振り返るパネル展「渡辺祐策 顕彰展」が行われている。
今年80周年を迎える同館の記念事業の一環として6月16日に始まった同展。2階ロビーで、同館の歴史と宇部市発展の礎を築いた渡辺祐策翁の歩みを、写真を中心にパネル25枚で紹介する。
明治中期から昭和初期にかけての写真のほか、明治から大正の石灰産業、大正から昭和にかけての海底炭鉱の移り変わりや、市街地が発展していく様子、渡辺翁の青年期から晩年にかけてのポートレートなども展示する。
昭和を代表する建築家・村野藤吾が手掛けたことでも知られる同館。渡辺翁の死後にその功績をたたえ、渡辺翁が設立などに関わった「沖ノ山炭鉱」(現・宇部興産)や「宇部窒素工業」「宇部セメント製造」「宇部電機鉄道」など7社の寄付で建設され、1937(昭和12)年に開館。2005年には国の重要文化財、2007年には経済産業省が認定する「近代化産業遺産」に指定された。
同館を管理する宇部市文化創造財団の末永朋之さんは「同館が開館した当時は、工業化が進んでいた時代。当館の歴史は宇部の発展と渡辺翁の功績とともにある。若い方には宇部の発展を知る機会として、年配の方にはかつての地元を懐かしんでもらえる機会になれば」と話す。
見学時間は9時~17時。第3火曜休館。見学の申し込みは同館横の宇部文化創造財団事務所まで。