山口情報芸術センター(山口市中園町、TEL 083-901-2222)で1月31日、ドキュメンタリー映画「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」の上映会が開催される。
同映画は、福岡県大牟田市を中心に広がる日本最大の規模を誇った三池炭鉱で働いていた人々の証言などを集めたドキュメンタリー映画。1997年に閉山した三池炭鉱は、囚人労働、強制連行、三池争議、炭じん爆発事故の歴史を持ち、「負の遺産」と呼ぶ人もいる。同作品の監督である映像ジャーナリスト・熊谷博子さんは「その歴史を闇に葬ってはならない」と、炭鉱で働いていた人や家族など約100人の証言、30を越す炭鉱関連施設の撮影を続け、7年かけて完成させた作品。
全国に大きく報道された「三池争議」の当事者を、初めて労使双方からのインタビューに成功し、行政機関の協力のもとで、これまで過去のものと目を背けられてきた炭じん爆発事故の被害者、炭鉱労働者として働いた朝鮮人や欧米人捕虜の証言も含まれるという。
上映会は、昨年10月から今年3月にかけて、全国約30カ所で行われている自主上映会の一環で、山口県では初上映となる。上映時間は14時~、16時30分~、19時30分~(18時30分より監督講演会)の3回。鑑賞料は800円(監督講演は無料)。問い合わせは、「実行委員会プロジェクトYOU」代表の小澤由己子さん(TEL 090-8244-9386)まで。
同作品の撮影にも参加している小澤さんは「労使抗争の縮図、産業構造の転換など、映画を見た人がそれぞれに受け止めてもらえれば。『三池』を知らない若い年代からの支持も多いので、若い人にこそ見てほしい」と話している。