宇部市が8月19日、フードバンク事業で回収した食品の「受け渡し会」を始めた。
フードバンク事業は、食べることができるのに廃棄される食品を回収し、必要とする人に提供して食品の有効活用を図る取り組み。宇部市は、山口県内で活動するNPO法人「フードバンク山口」(山口市)と連携し、7月16日に同事業を開始した。
現在、宇部市内の5カ所(市役所、アルク琴芝・南浜・厚南店、コープここと宇部店)に設置したポストで、賞味期限まで1カ月以上あり、未開封で常温保存できる食品を受け付けている。事業開始後の約1カ月間で、調味料やドリンク、缶詰め、菓子など921品を回収した。
受け渡し会は、祝日を除く毎週月曜14時~17時、食品を保管する「フードバンク倉庫」(新天町1、まちづくりプラザ4階)で実施する。対象者は、フードバンク山口会員登録団体(児童福祉施設、子ども食堂、介護施設など)と、公的機関に相談の上で食品提供が必要と市の判断を受けた生活困窮者ら。初日は5団体に約150品を渡した。
フードバンク事業を担当する宇部市市民環境部廃棄物対策課ごみ減量推進係の池田忍主査は「予想以上に多くの食品提供を受けて『捨てるよりは活用を』という市民の思いを感じた。9月にかけては中元で頂いたものの、自宅では消費できない食品の提供が増えてくるのでは」と想定する。
市では年間推計約5500トンの食品ロスが発生している。「食品製造業といった企業にも規格外品などの提供を積極的に呼び掛けたい。食品を買い過ぎない、使い切るなどの意識も市民に植え付けていければ」とも。
問い合わせは廃棄物対策課(TEL 0836-34-8247)まで。