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宇部で「伝説のピアノ」演奏を撮影 コロナ禍での活動伝える

スタインウェイ社製ピアノを演奏するピアニスト・碓井俊樹さん

スタインウェイ社製ピアノを演奏するピアニスト・碓井俊樹さん

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 宇部市渡辺翁記念会館(宇部市朝日町)2階ロビーで10月30日、「伝説のピアノ」の演奏動画が撮影された。

2階ロビーで行われた撮影の様子

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 同館に展示している1922(大正11)年・スタインウェイ社製ピアノを修復するプロジェクト「伝説のピアノ復活計画」の一環。この日撮影した映像は、例年行っていたコンサートが新型コロナウイルスの影響で開催できない状況の中、これまでの活動を紹介する動画の一部として活用する。

 プロジェクトを主宰する「SAKI-DORIプロジェクト」代表の真部尚志さんは「施設が閉鎖されている間も、宇部市在住の音楽家・田中祐樹さんを中心に調整や音作りを行ってきた。もともと動画制作を行いたいと思っていたことや、文化庁による助成金を得たこともあり、コロナ禍の今だからこそできる現状報告として作成する」と話す。

 これまでにも同プロジェクトに携わってきたピアニスト・碓井俊樹さんがピアノを演奏。ジョージアの作曲家・アザラシヴィリの「無言歌」やベートーヴェンの「月光」、モーツァルトの「幻想曲」などを演奏した。

 碓井さんは「3月に試し弾きをした時点でかなり仕上がっていたが、半年ぶりに演奏してみるとやはり調整が必要なところも出ていた。高温多湿な日本の環境で、手のかかる名器をどう管理していくかが今後の課題。ただ展示するのではなく、市民が気軽に弾けるようになれば。『良いピアノが弾きたければ宇部に』と思ってもらいたい」と笑顔を見せる。

 真部さんは「新型コロナの影響で人を集めるような取り組みが行えない中、今できることを試行錯誤しながらやっている。来年の市政100周年に向けた次の目標としては、スタンウェイと同年代のベヒシュタイン社製ピアノの修復も行っていきたい」と話す。

 11月3日は第一次修復作業に関わったピアノ技術者・加藤嘉尚さんによる調律を行う。動画は年末~来春にかけてSNSなどで公開する予定という。

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