弦楽器を自動演奏する装置「オートマチックヴァイオリン」が現在、ANAクラウンプラザホテル宇部(宇部市相生町)の1階ロビーに展示されている。
山口県内のホテルで同装置を展示するのは今回が2回目。「グリーントラベル山口中央旅行社」(山口市)の小池陽一さんが企画・設置した。自動演奏する弦楽器はバイオリン・チェロ・ビオラの3種類で、iPhoneからの音源を無線でコントロールし、ホテルの雰囲気に合わせたというクラシック曲7曲をループ演奏する。
同装置は、CDや携帯音楽プレーヤーなどからの音源を振動に変え、弦を支える駒と呼ばれる部分が振動して弦楽器を自動演奏する仕組みで、「フォーエバーミュージック研究所」(山陽小野田市鴨庄)の桐原慎治さんが開発した。
桐原さんは電気機器メーカーを定年退職後、2005(平成17)年に同研究所を立ち上げ、同装置を研究開発して特許を取得した。「一般のスピーカーでは再生できないバイオリンの高周波の倍音が出るため、生演奏に近い音色になる。昔の名バイオリニストがレコードなどに残した演奏音源をもう一度本物の楽器でよみがえらせたいと思った」と話す。
プロ奏者や楽器製作者の慣らし演奏にも使われ、中国や台湾など海外からも問い合わせや注文があるという。自動演奏コンサートも開いた。
桐原さんは「患者の緊張を和らげるために病院の待合室などに設置したり、音が出るインテリアとして家で楽しんだりする人もいる。パーティーなどのあらゆる場面で幅広く活用できる。生演奏に近い音色で、トリオの立体的かつ柔らかい音でリラックスしてもらい、のんびりとしたひとときを楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
演奏時間は9時~17時。2月28日まで。