JR新山口駅近くで冷凍の刺し身や弁当などを無人で販売する「TAKAKURA FROZEN(タカクラフローズン)」(山口市小郡高砂町1)がオープンして3カ月がたった。
同駅新幹線口前の「回転寿司(すし)たかくら」を経営する「たかくら」が運営する同店。社長の藤野芳郎さんは「回転すし屋だけでなく遊漁船など『魚』に関するビジネスに力を入れており、構想はずっと前から持っていた。コロナ禍で非対面・非接触の無人販売所が全国に普及し始め、本格的にリサーチした」と話す。
24時間の無人営業で、瞬間冷凍した刺し身や「イワシのみそ煮」などの総菜、「たかくらのあさりの貝汁」のほか、焼きさば弁当や天丼などの弁当、ラーメンなど約30種類を販売。鮮度が落ちないように、調理後すぐに冷凍した商品を提供する。
液体式瞬間冷凍装置や無人レジシステムなどは社内で開発。利用客は冷凍庫から商品を取り出し、セルフレジで現金かPayPay(ペイペイ)などのキャッシュレス決済で支払う。防犯対策として店内に監視カメラ4台を設置している。
藤野さんは「当初は出張のビジネスマンの利用を見込んでいたが、近隣の会社に勤めている人などの利用も多く、年配の人にも『家にストックしておける』と好評を得ている。利用客からは冷凍とは思えないと言ってもらえおり、うれしい限り」と笑顔を見せる。
店内では「セルフ弁当総菜たかくら」として冷凍していない500円のワンコイン弁当、おにぎり、総菜なども販売する。販売時間は平日の11時30分から売り切れまでで、その間はスタッフが1人常駐してセルフレジへの誘導などを行う。
店の前にはラーメンの冷凍自動販売機「RAMEN STOCK 24」を設置。現在は約9種類、最終的には15種類を提供する予定。
藤野さんは「SDGsの実現を目指して食品ロスを削減したいと考えており、その取り組みの一つ。マンションなどマイクロマーケットへの可能性も考えている。地域に役立つライフラインの一つとして展開していきたい」と意欲を見せる。