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山口に「町屋ノ大工」 大工の伝統技術や知識、「七つ道具」伝承へ

「頼みやすい町の大工になれたら」と玉木さん

「頼みやすい町の大工になれたら」と玉木さん

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 家の修繕などを手がける「町屋ノ大工」(山口市吉田、TEL 090-3641-8690)が創業して2カ月がたった。創業日は5月1日。

カンナを使って作業する様子

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 防府市出身の1級建築大工技能士・玉木和也さんが代表を務める同社。玉木さんは「高校卒業後、山口市内で見習い大工として10年修行を積み、一人親方になってからの16年は大手企業の社屋や旅館、学校の体育館などの新築やリフォームを請け負ってきた。私は現在45歳だが、高齢化と若者離れで大工の数は大幅に減少している。生活の基盤作りの担い手である大工の伝統技術や知識を未来に守り伝えていきたい」と話す。

 建築の現場では現在、機械化と高齢化が同時に進んで昔ながらの大工が減り、「大工の七つ道具(差し金、スミツボ、ちょうな、ノコギリ、ゲンノウ(カナヅチ)、カンナ、ノミ)」を使いこなせる人が少なくなっているという。

 玉木さんは「カンナはとてもデリケートな手道具で、天候や湿度、削る樹種などにもよって削り具合が変わり、保管するのも容易ではない。手間を惜しまず、次の世代につなげていける心温まる仕事に取り組み、頼みやすい町の大工になれたら」と笑顔を見せる。

 対応するのは、壁・床の張り替えや補修、扉の建て付け直し、飾り棚の取り付け、ウッドデッキ設置、手すりやスロープの設置など。山口、防府、宇部を対象に個人宅などに出向き、現代の加工機械と「大工の七つ道具」を併用しながら修繕作業を行うほか、「原田木工製販」(吉田)の作業場を借りて加工を行う。

 「柱につけた身長の印など、家に刻まれた記憶や成長の記録は少しでもどこかに残したい。お客さんと携わる期間は解体も含めて約1~2週間ほどだが、家は今後も住み続ける大切なもの。仕事の魅力発信や労働条件改善など大工職へのイメージをポジティブなものにし、次世代の育成にも力を入れていきたい」とも。

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