萩博物館(萩市堀内)で「海の妖怪展~百鬼夜航のミステリー~」が7月20日から始まり、萩市内で様々な「妖怪イベント」が展開されている。
同館では日本古来の海の妖怪約50種類を展示。会場内を巡りながらスタンプ式の「秘密の印」を集めて妖怪からのメッセージを解き明かすという体験型のストーリー仕立てで、「人魚のミイラ」「河童のミイラ」などの妖怪のほか、萩市見島に伝わる妖怪「タキワロ」などのご当地妖怪も紹介する。
企画を担当した同館学芸班総括研究員の堀成夫さんは「当館は自然系と人文系を併せたローカルでは珍しい総合博物館。現代の妖怪であるリュウグウノツカイなどの珍魚と、古くから伝承されてきた妖怪とを合わせ、総合博物館の強みを活かした展示に仕上げた」と話す。
夏休み期間中、萩市全体で妖怪を楽しんでもらおうと、同館以外でも妖怪に関連したイベントを開催する。
萩・明倫学舎(江向)では「海の妖怪をさがせ!」と題し、学舎内に隠れた妖怪を探すイベントを行う。発見時にスマートフォンのカメラでARを起動すると妖怪と記念撮影ができる。9月23日まで。
水上からの萩観光を提供する萩八景遊覧船は「妖怪発見クルージング~妖怪がすむ島を見つけよう~」と題し、妖怪が棲むと伝えられている島を探すクルージングツアーを「日本海鑑賞コース」内で行う。8月25日まで。
8月11日には、熊谷美術館(今魚店町)で「百鬼夜行絵巻が語る~目には見えずとも感じるもの~」を行い、妖怪博士の徳田和夫さんが絵巻の解説を行う。
田町商店街では多くの子どもが訪れる土曜夜市と同時開催で「田町妖怪土曜夜市~ワタシヲミツケテ~」を7月27日に実施し、妖怪に扮した店主から封印を解くスタンプラリーを集める企画などを行った。
萩博物館では開催後から約5,000人が来館し、萩市外からの来館も多いという。堀さんは「博物館は本物の実物を見ることができるのが良いところ。妖怪の伝承に沿い当時の人が信じていた証や珍魚の不可思議さに体験型で触れてもらえる仕掛けをふんだんに盛り込んだ。夏休みは萩で妖怪の思い出作りをしてもらいたい」と話す。
同館の開館時間は、9時~17時(8月31日までの土曜、8月10日~17日は19時まで)。観覧料は、大人=700円、高校生・大学生=400円、小・中学生=100円、未就学児無料。9月23日まで。