山口県立美術館で「運慶流」テーマに展覧会-49体の仏像を展示

運慶作の「光徳寺大日如来像」に見入る来館者

運慶作の「光徳寺大日如来像」に見入る来館者

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 山口県立美術館(山口市亀山町、TEL 083-925-7788)で11月11日、仏像49体を展示する「運慶流-鎌倉・南北朝の仏像と蒙古襲来-」が始まった。

大きさも形も表情もさまざまな仏像が間近に

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 同展は、鎌倉時代初期に活躍した仏師・運慶の流れをくむ「運慶流」仏師一門による重要文化財10件(22体)を含む仏像28件(49体)を展示するもの。蒙古襲来から南北朝へと続く争乱と混迷の時代に、人々の祈りを託された「運慶流」の美を紹介している。

 見どころは、運慶作の「光得寺大日如来像」(重要文化財)。運慶らしさが凝縮されている仏像で、小さいながら迫力や存在感がある。大日如来像の内部に「心月輪(しんがちりん)」という仏の魂を意味する水晶玉があることを示すX線写真や、大日如来像を納めている厨子(ずし)も展示。

 会場では、運慶の世代を「初代」とし、以降、「運慶流」を二代、三代、四代と世代ごとに区切り、展示している仏像がどの代のものであるか分かりやすく記した。世代によって、穏やかで端正な顔立ちだったり、俗っぽい顔つきだったり、特徴の違いが見られる。

 同館学芸員の岩井共二さんは「運慶と弟子たちの作った仏像をふかん的に眺める展覧会。運慶の名前は知られているが、まだ分からないことが多い。弟子たちの作ったものを見ることで運慶のことが分かるのではないかという視点で見てほしい」と話している。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。観覧料は、一般=1,000円、学生=800円。12月21日まで。(©マルニ)

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