
カフェレストラン「ばんちゃ屋2/3」(山口市嘉川、TEL 083-929-3773)が6月17日、オープンした。
宇部と山口に店を構える食事処(どころ)「ばんちゃ屋」がのれん分けした同店。山口市を中心に障害者の雇用・就労支援を行う一般社団法人「STARCX(スタークス)」が運営する。同法人代表の大迫陽介さんにとって「ばんちゃ屋」は実家になる。
大迫さんは「障害の有無にかかわらず、『できること』は人それぞれ。利用者の『好き』『やってみたい』と思えることを仕事にできるように、楽しく仕事を行える環境をつくりたい」と、本店を切り盛りする弟の信作さんに2年ほど前に話を持ちかけ、出店準備を進めてきた。
場所は山口市立嘉川小学校おおぞら学級の近くで、事業所兼店舗を新築した。就労継続支援A型・就労移行支援事業所「アークス山口」を同所2階に移転し、1階をカフェレストラン部門としてスタッフや利用者と営業する。
店舗面積は約300平方メートル。カウンター席10席、テーブル16席を設ける。食券機などセルフサービスシステムを採用する。
メニューは、定番の「チキンカツ定食」「からあげ定食」「ぶたしょうが焼き定食」(以上900円)、「とんかつ定食」(950円)、「コンビ定食」(1,000円)、「豚野菜定食」(930円)などの定食を提供する。本店直送のオリジナルドレッシングやソースなどの調味料を使う。
同店限定メニューとして、ピザ窯で焼き上げる「マルゲリータ」(600円)、ホルモン2種を使った「スタミナ焼うどん定食」(930円)のほか、「マンゴーソーダ」(300円)や「ベリーソーダ」「グリーンアップルソーダ」(以上350円)などのソーダドリンクも用意する。
大迫さんは「当初は店名にあるように本店の3分の2の量で提供しようと考えたが、『早く安くおいしくボリュームがある』をモットーにするばんちゃ屋のイメージを残すため、従来の量よりも少しだけ控えめにした」と話す。「住宅街の奥まった場所にあるので、立地に適した落ち着きのある雰囲気に店内を仕上げた。地域のフードコートのような感覚で、井戸端会議などにも使ってもらえたら」とも。
今後は店舗前での弁当販売や、「農事組合法人 川西」(山口市)とタッグを組み、規格外の野菜販売も考えているという。
「障害者の方にとって飲食店で働くというハードルは決して低くないと思うが、自分の得意を十分に発揮できる働きを通して社会に参加し、全ての人が暮らしやすい共生社会を地域の方と共につくっていけたら」とも。
営業時間は11時~15時。