
街歩きイベント「萩まちじゅう博覧会(秋期)」が10月17日、萩で始まった。
萩の歴史的街並みや暮らし、技や食などの「萩のおたから」を五感で味わう体験プログラムを地域事業者が提供し、観光や街づくり、文化の継承につなげることを目的に実施する。
期間中、「まちじゅうにあふれるおたからをめぐる旅」をコンセプトに40のプログラムを展開する。
萩焼の窯元と海産問屋がコラボした「老舗浜問屋が伝える、いりこの出汁料理」や、戦場での携帯食だった幕末パンと萩の郷土料理「いとこ煮」を楽しむ「藩校跡で幕末パンと郷土料理を食す」などの食文化に触れるものや、「針葉樹の蒸留体験と森歩き」「掌の上の萩 和菓子作り体験」などの体験プログラムも用意。今回は6件の事業者が初参加し、プログラムを提供する。
初日は、国指定重要文化財「熊谷家住宅」(今魚店町)でオープニングイベントが行われ、伝統工法で修復した三和土(たたき)の見学会などが行われた。熊谷家11代当主の江口伊織さんは、「三和土の伝統工法を知っている職人は萩市で一人だけ。技術や素材を守るために修復過程を映像に納め、アーカイブとして残した。萩の美しい街並みは、職人の技術の上に成り立っているというありがたさを感じる」と話す。
実行委員会会長の田中文夫市長は「萩は認定されていない史跡が約1,600個もあり、まち全体を屋根のない博物館としたのが『萩まちじゅう博物館』構想。エコミュージアムの事例として学びたいと海外からの視察も相次いでいる。萩が持つ素晴らしいものを見ていただき、しっかりとおもてなしをして喜んでもらいたい」とあいさつした。
開催期間は11月30日まで。